一般職非常勤とは
人事異動で人事労務所管課から出ていったのですが、今更ながら、
一般職非常勤の定義って地方公務員法になくない?!
と思うに至りました。 このような状況と、同一労働同一賃金のキャンペーンが重なって、急いで給与体系を整えることになったのかしら?
本題 一般職非常勤って何ですか? という内容のブログとなります。
タイトル「一般職非常勤とは」に対し答えるブログではなく、はてなマークのはてなを詳述したものでございます。 まぁ、結論として私の理解を最後に書きますが。
といいながら、後になると結論から読みたくなると思うので、いきなり始めに結論を書いておきます。
無期雇用=一般職(常勤)
…一般職(常勤)とは、定年以外の終期を初めから設定していない職員。
有期雇用=一般職非常勤
…一般職非常勤とは、終期が初めから決まっている職員。
ちょっと飛躍しますが、
一般職非常勤の区分
・一般職非常勤(その他大勢)
・任期付職員
・再任用職員
※任期付は、任期付法や地方公務員の育休法などによる採用、任用
※再任用職員は地公法第28条の4がフルタイム、第28の5が短時間勤務
これらの法律によらない有期雇用は一般職非常勤である。
常時勤務か短時間勤務か、と、常勤か非常勤か、は別問題。
地方公務員の定義と分類
●地方公務員とは…地方公共団体のすべての公務員(地公法第2条)
その地方公務員は一般職と特別職に分かれます。
●一般職とは…特別職以外すべて(地公法第3条第2項)
●特別職とは…地公法第3条第3項の各号に掲げる職
特別職の条項引用は省きましたが、簡単にいうと選ばれ方、職務が特別なものです。 例えば、選挙で選ばれる市長や議員は選ばれ方が選挙によるため特別職です(1号)。 あるいは教育委員や農業委員のように委員会に付議された内容の審議を行うことを主な職務とするような人は特別職です(2号) あとは国勢調査員(3号)とか、地域の消防団員(5号)とか。
これら諸々を除いたその他大勢はとにかく一般職です。 イメージとしては、サラリーマンとして役所に普通に勤務している人が一般職です。 (まぁ、この「普通に勤務」を法的に齟齬が出ないように言葉で表現したものが地公法2条、3条なわけですが)
地公法は原則的に特別職には適用されません。そしてここで話題にするのは一般職ということになります。常勤特別職でも非常勤特別職でもありませんので悪しからず。
常勤と非常勤
一般職は、任用形態の違いで以下に分かれます。
①一般職(常勤)
②臨時的任用職員
③一般職非常勤
常勤も項立てされた定義はありませんが、地公法が基本的に①のことを言っているので、例外的な②③だけ定義付けれていればいいように思えます。
では②と③の定義は?
臨時的任用
根拠は地公法第22条第2項です。
・緊急の場合
・臨時の職の場合
・採用候補者名簿がない場合
に、臨時的任用を行うことができる、と規定されています。 イメージしやすいのは、例えば、育休で穴が空いたが、例年の採用活動をしているいとまがない!という、急場しのぎで任用するというケースです。 これは、上記のとおりおおまかながらも条件が示され、また最大6月(延長しても1年まで)という任期なのでわかりやすいです。
非常勤
では非常勤は?
実はこの定義がないんですね。
地公法第22条は見出しに(条件付採用と臨時的任用)とうたわれています。 そんで第1項が「臨時的任用又は非常勤職員の任用の場合を除き、〜」で始まります。
こりゃもう、次項以降で非常勤について語るんだろうなと思うじゃないですか!
ところが第7項まであるにも関わらず、第2項以降はすべて「臨時的任用」についてしか語らない!
非常勤はどこへ行ったんだ!?
何を持って常勤なの?非常勤なの? 具体的にいうと、週何日働いたら?1日何時間働いたら?常勤と言えるの?
その線引きがない、ということではないでしょうか?
短時間勤務の職
非常勤の定義がないのでここで私は
フル勤務=一般職(常勤)
パートタイム=一般職非常勤
かな?と考えるわけです。
ところが、さらにわかりにくいことに、地公法には「短時間勤務の職」という定義があります。
本来は再任用職員の雇用形態についての条項である地公法第28条の5にその定義はあります。
短時間勤務の職= 当該職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種のものを占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるものをいう。
「その職務が〜同種のもの」という件は、要は仕事の内容が同じ、ということです。 つまり、同じ職で、かつ、一週間の勤務時間がフル勤務より短いものを短時間勤務の職である、ということですね。
地方公務員は大体の都道府県市町村が国にならって一日7時間45分、一週間38時間45分がフルタイムだと思います。 そうすると、例えば週4日勤務で週31時間勤務、一日6時間×5日=週30時間というように、38時間45分より短いものを短時間勤務というわけですね。
なんか最もらしく書きましたが、当たり前じゃん!って思えてきました。
ここでの結論をいうと、非常勤という言葉に関連付けられずに短時間勤務の定義があるということは、逆にいうと、
短時間勤務=非常勤 ではない
ということですね。
結局、一般職非常勤とは
はてなマークを詳述するブログということでしたが、備忘録なので、とりあえずこの段階での私の理解を記述しておきます。
結局、
無期雇用=一般職(常勤)
有期雇用=一般職非常勤
ということではないでしょうか。
公務員でない方からしたら、
そりゃそうでしょ?
何故今まで迷走していたの?
と思われるかも知れません。
でも、公務員にまつわる法律って、結構定義がはっきり書いてあるものなんですよ。ところが常勤と非常勤については記載がありそうでない。 だから探してしまう。 だから迷ってしまう。
加えて言えば、「地方公共団体の任期付職員の採用に関する法律」なんていうのもあります。 有期雇用の定義があるじゃないか!と惑わされてしまう。
ここは、一旦冷静になって、上記のような理解をするのが一番しっくり来る気がします。
ただ、一般職の常勤と非常勤の分けが無期か有期かでしかないとした場合、何が問題になるのかというと、採用方法も、仕事の内容も、給与の内容も同じである、ということです。
つまりは、原則競争試験(但し書きとして選考もok)により採用し、非常勤でも文書起案したり条例案を作ったり、そして特別手当(ボーナス)も払う、ということになってきます。 だって同じ職(労働)なんだもん。
本当に同じ仕事してる? あるいは、突き詰めていくと、同一労働同一賃金、に自ずとなっていく。
余談ですが、同一労働同一賃金については私は疑問です。 日本の労働慣行からして、やはり、無期雇用には、将来にわたっての役割の期待、部下の育成、長期的な組織のマネジメント、希望に沿わない人事異動などの受忍などなどが期待されています。 これは有期雇用にはそれほど期待していないことなので、その分が賃金に全く加味されないのは如何なものかと思うのです。 ボーナスの額に違いはあるにしてもです。全く同じ給与体系で本当にいいの?と思います。
話が逸れましたが、まとめると
無期雇用=一般職(常勤)
…一般職(常勤)とは、定年以外の終期を初めから設定していない職員。
有期雇用=一般職非常勤
…一般職非常勤とは、終期が初めから決まっている職員。
一般職非常勤の区分
・一般職非常勤(その他大勢)
・任期付職員
・再任用職員
※任期付は、任期付法や地方公務員の育休法などによる採用、任用
※再任用職員は地公法第28条の4がフルタイム、第28の5が短時間勤務
これらの法律によらない有期雇用は一般職非常勤である。
言葉が似ていてわかりにくいですが、常時勤務か短時間勤務か、と、常勤か非常勤か、は別問題。
ふう。 だいぶ長くなりましたが、結論はなかなかシンプルにまとまったのではないかと思います。
(参考)
東京都、 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例
※「再任用職員は非常勤である」という一つの証左として東京都条例第19条第2項